1996年、ソニー・コンピューターエンターテイメントにより発売されたPlayStation用ソフトである。 PSきっての大作RPGで、数少ない大名作の一つだ。 世界観的には前作と同じ。 ただし時間的に数年が経過している。 1に比べるとシステム随所に改変がほどこされている。 なかでも大きいものとしてフィールドマップの移動システムがあげられる。。 前作では地図からフィールドマップを選ぶ方式だったが、今回はキャラを操作して移動できる。 また、前作ではイベントやドロップのみでの入手だったアイテムが、金銭の導入により店で買えるようになっている。 アクセサリのみだった装備品も武器や防具が用意され、より冒険を楽しむことが可能だ。 これに付随して町などのフィールドも用意され、イベントもある程度自分で見つけられるようになり、 より一層RPGとして完成された。 戦闘も基本的なことは一緒だが、前回は最大レベルでしか使えなかった技や魔法も 今回はレベルを選択できるようになった。 また前作のキャラクター達に加え、今作で加わるメインメンバー、 さらにモンスターをも仲間に出来るため膨大な量の仲間が入る今作。 そのためパーティーメンバーの選択システムが加えられた。 さてゲーム内容だが、短かった前作に比べずともこのゲームのボリュームは異常である。 前作と同じく息つく間もないイベント。 その数が尋常じゃない。 次々と襲い来るシリアスでハードなイベントは先を見ずにはいられない魅力を持っている。 普通にプレイを楽しむだけで60時間くらいはかかるのではないだろうか? その衝撃的な内容は、最後の最後まで目が離せない。 また、サブイベントの多さもこのゲームの特徴である。 ハンターシステムにより依頼をこなしたり賞金首を狩ったりするイベントがあり、 これによってしか手に入らないレアアイテムも数多く存在する。 製作するのや入手するのが非常に困難なレアアイテムも数多く存在しマニア心をくすぐられる。 本編その他、全てにおいて半端じゃないのだ。 そして、このゲームの最大の魅力は、なんといっても「コンバートシステム」による 前作データの引継ぎにあるといっても過言ではない。 まずは追加イベントだ。 前作のデータをコンバートした場合にだけ起こすことができるイベントが複数存在する。 殆どは前作ファンを喜ばせるためのおまけ的イベントなのだが、中には非常に重要なイベントも存在する。 そう、前作の隠し召喚「ちょこ」に関するイベントである。 この裏ストーリーは「もう一つのアークザラッド」といっても過言ではない。 アークザラッドファンなら必見である。 また、もう一つの要素はアイテムやキャラデータの繰り越しだ。 基本的に前作の主人公達の専用装備は引き継がないと手に入らない。 また「ネックレス」や「絹の帯」そして「ロマンシングストーン」といった 超強力なアイテム群を引き継げるのと引き継げないのでは、 アークザラッド2の楽しみ方が全然違ってくるというのだからたまらない。 今作では、初めの主人公として前作のアークとは違う人物から始まるのだが、 前作の仲間たちは思わず「ニヤリ」としてしまう登場をする。 そしてよほど捻くれたプレイをしていない限り、新たな主人公達より遥かにレベルが高く強いのである。 これはプレイヤーの心を非常に分かっている演出だといえる。 また、引継ぎをするのとしないのでは、引き継いだ方が遥かに前作のキャラが強いという得点も嬉しい。 特に、アークと召喚獣は引き継ぐのと引き継がないのとでは天と地ほど違う。 ここまで魅力があるコンバートシステム。 引き継がない手はない。 これからアークをプレイするという人は、是非とも1からプレイしよう。 CD一枚組みとは思えない圧倒的なボリュームを秘めているアークザラッド2。 ここまで楽しめるゲームが他にあるのだろうか? そう思えるほど隅から隅まで楽しめるアークザラッド2。 やったことが無いという人には是非ともプレイして欲しい。 決して後悔はしないはずだ。 え? アーク3?? なんですか、それ(爆) 補足 今作では、前作のアークから新たな主人公エルクが加えられ、基本的にエルク視点でゲームが進む。 が、パーティーメンバーを選択できるこのゲームでは、 前作の主人公の方が人気がでて新たな主人公を使わない人が増えることは目に見えている。 それがスタッフにも分かっていたためか、エルクを使うための工夫が随所になされている。 すなわち、エルクの強化とアークの弱体化である(爆) まず、基本的にエルクのステータスは高い。 攻撃力はアークと同程度なのだが、素早さがトッシュよりも高い。 機動力も十分。 そしてなんといっても大きいのがHPとMPである。 エルクは1レベルごとにHPが3、MPが2上がる。 特にこのHP3というのは全キャラ中でもトップクラスだ。 それに比べてアークはHP2、MPが1しか上がらない。 HPはともかくMPは致命的である。 特に前作を引き継いでいない場合、終盤になってもMPが100にとどかず、魔法数回使うだけで切れてしまうほどだ・・・ そして、使える特殊能力にもそれは見られる。 前作のアークの魔法で、まさにアークの強さの所以、切り札であった魔法「ゲイルフラッシュ」 この魔法の強さはなんといっても他の魔法の一歩上を行くその効果範囲にあった。 が、魔法を司る精霊が風の精霊から光の精霊に変わったことと関係あるのか無いのか、 効果範囲が他の魔法と同じになってしまっている。 ただでさえ魔力が低いので、ぶっちゃけ使えない。 むしろ、同じ光属性の魔法である「スーパーノヴァ」のほうが、射程が一歩長い分強いくらいだ。 まぁ新技として、強力な「ウィークエネミー」という敵を一気に弱体化させる魔法もあるので使えるキャラではあるのだが、 トータルヒーリーングがあることもあって、完全に補助キャラになってしまった。 一方エルクは、基本的な攻撃魔法に加え、強力な補助魔法も揃っている。 中でも移動力や魔力、攻撃力を上げる魔法は非常に強力である。 さらに、一撃の攻撃力を上げるチャージまで覚えることが出来、 なんといってもアーク2の最強魔法、レベル分のターン無敵になる「インビシブル」を自力で覚えることが出来るのだ。 (一応追加能力まで考えればアークにもあるが・・・) これは反面消費MPが半端ではないのだが、なんといっても消費MPを1にする「ロマンシングストーン」があるのだ。 ぶっちゃけロマンシングストーンを装備したエルクは反則である(笑) ついでにエルクのテーマが非常に格好よくおいしいところで使われたりして、 たった16小節でループするアークのテーマとは大違いだったりする。 そんなこんなで色んな面で優遇されているエルクであるが、やはり人気ではアークには程遠いようだ。 蛇足 基本的にパワーアップしているアーク2であるが、前作よりかもダウンしているところが少しながらある。 まずはボイス容量だ。 まぁ他の面で容量を使いまくってるから仕方ないのだが、戦闘の際のボイスが大幅に短縮されている。 通常攻撃の声は一種類だけになり、その他のボイスも基本的に時間が短い。 これによって、トッシュなんかは2だけやるとただの切れてるニーチャンに見える(爆) まぁ戦闘のテンポ自体が早くなったので一概に悪いとは言えないのだが、 前作の中毒性のあるテンポが好きだっただけに残念だ。 また、基本的に戦闘自体はテンポアップしてるのだが、唯一つ、 敵を倒したときに「金が吹き出る演出」が加えられたため、大量に敵を倒したときは鬱陶しく感じたりする。 もう一つ残念なのは(まぁこれはトッシュ好きなせいかもしれないが)トッシュの必殺技の大幅な弱体化である。 今作は通常攻撃が連撃で、レベルと確立で攻撃力が上下するのに加え、 通常攻撃の威力を大幅に上げる「チャージ」が必殺技には適用されない。 専用装備でチャージを最大4つまで自動で溜めることが出来る「ゆかりの紋章」を持っているトッシュにとって、 もはや桜花雷爆斬は通常攻撃一発分にも満たない。 私のように、わざわざ装備を外して強制的に攻撃を一回にした挙句、ゆかりの紋章を使わない・・・ などというプレイをしない限り、桜花雷爆斬はただ命中率が100%というだけの弱い技に過ぎなくなってしまっているのだ・・・ ついでに、アークザラッドモンスターゲームというファンディスクのようなものを利用することにより、 誰もが思いつくような簡単な方法でアイテムを増殖することができたりする。 これをつかってパワーアップアイテムを増殖することで簡単にドーピングができてしまい、 パワーバランスが崩壊してしまった・・・・ これさえなければ非常に面白い試みのソフトだったのだが(笑) |